:NO.94『ジェネラルパーパス・テクノロジー』

hiroki-u2008-09-01

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ジェネラルパーパス・テクノロジー
日本の停滞を打破する究極手段 (アスキー新書 70) (新書)
野口 悠紀雄 (著), 遠藤 諭 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048672401/cg0853-22/ref=nosim/
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ジェネラルパーパス・テクノロジー。日本語に訳したら、一般目的技術、汎用技術って、そのまんま。
でもって、ITはジェネラルパーパス・テクノロジーだよってお話。産業革命と同じで特殊でもなんでもなくて、"すべて"の企業にとって、"汎用"であり、付加価値をもたらしますよってこと。つまり、キチンと使わないと立ち後れますよってお話。

日本は、ITの経営効果として「間接部門コスト削減」や「在庫コスト削減」など業務効率化をあげる企業が多いのに対して、アメリカでは、「新製品・サービスの開発、新規事業の開拓」や「主要事業における競争力強化」をあげる企業が多い。
これは、ITを活用できているかということよりも、ITをビジネスの戦略的な武器としてとらえているかということである。

とある。企業文化を根本から変えていかないと、なかなかこういう考えにはシフトしないんだろうなーと思う。

また、ITはクライアント・サーバ型であるが故に、アメリカ型の市場経済に適しているとのこと。故に、ソ連の崩壊とITが到来した時期が一致しているのは偶然ではない。日本は、形式的には市場経済だが、金融機関を中心とした「間接金融体制」や企業内で与えられた業務を忠実かつ効率的に遂行する「軍隊型組織」は極めて計画経済に近くITとは水が合わない。なるほどそう考えると日本の今の苦しみが分かったような気がする。

しかも、IT化が進むと企業間(BtoB)の取引コストが小さくなるので、垂直統合よりも、水平分業に軍配があがると、まーそうだわな。

現在の自動車業界は、部品の互換性がないために日本自動車メーカーの系列化が強みになっているけど、今後、モジュール化された部品で自動車が作られるようになれば、逆に系列化が高コスト体質の権化と言われかねない・・・。

まぁ、自動車の部品は約3万個。パソコンみたいに部品点数が少なくないから、一足飛びに水平分業に移ることはないかと思うけど、ウカウカしてられないなーと危機感を感じるのでした。