:NO.97『任天堂Wiiのすごい発想』

hiroki-u2008-09-08

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Wiiのすごい発想―任天堂 技術競争を捨てて-新しい市場開拓に成功 (単行本)
溝上 幸伸 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827204187/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 6点 ] ※10点満点中

任天堂の歴史早見の書。ファミコン時代からWii/DS時代まで網羅。

やはりスゴイのは、山内相談役か。52年勤めた社長のポジションを入社3年目42歳の岩田社長にバトンタッチしたこと。代表権を持つ取締役6名による合議制の経営を目指すために、岩田社長の類い稀なる調整能力を買ったのは分かるが、並の経営者ができることじゃあないよな。

岩田社長については以下ブログが興味深いのでご参考まで。

   ◆三十歳から四十五歳を無自覚に過ごすな
   〜任天堂社長 岩田聡氏〜 - 中小企業診断士 和田伸午のおもしろビジネス放談
   http://d.hatena.ne.jp/shinwada/20080824

もうひとつスゴイのはファブレスメーカーとしての任天堂
ファブレスが可能なメーカーとしての条件は以下の通り。

  ①ローテクであること
  ②価格支配力が強いこと
  ③数量がまとまること
  ④本体が優れた企画開発力を持つこと

特に④。但し、個別部品のハイテク化については、最初から外部部品メーカー任せでそこは追わない。
代わりにWiiのリモコンで採用された3軸加速度センサーのような、今までゲーム業界で全く取り入れられてこなかった新たな技術を見つけてくる嗅覚がすごい。これはもともとアナログデバイス社が自動車向けのセンサーとして開発してきたもの。こういった異業種の最先端技術を自社の強みとして取り込む、”技術のコーディネート”に優れていなければ、ファブレスメーカーとしてやっていけない。

結論、現預金も1兆円超えているので、当分任天堂は安泰ということ。

任天堂Wiiのすごい発想―技術競争を捨てて新しい市場開拓に成功

任天堂Wiiのすごい発想―技術競争を捨てて新しい市場開拓に成功