:NO.103『チーム・ダーウィン 「学習する組織」だけが生き残る』

hiroki-u2008-09-16

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チーム・ダーウィン 「学習する組織」だけが生き残る (単行本(ソフトカバー))
熊平 美香 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862760279/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 9点 ] ※10点満点中

さらっと読めた。内容は薄いが、「学習する組織」とはこういうものだという良いサンプルが見られたので、良し。

ちょっと前に読んだ、エンゲージメントというコトバを強く意識させられた。

主人公が、お店のマスターに「なんでそこまでしてやるのか?」と問われ、

「愉快だからです。」
「愉快?」
「はい、私は今、<会社のために>仕事をしている気になれません。<自分のために>仕事をしている、そんな、わくわくした気持ちなんです。

というのが、印象的。

この物語の主人公たちは、会社のベクトルに自分のベクトルを合わせるどころか、逆に自分のベクトルに会社のベクトルを合わせるという、サラリーマンとしては究極的な仕事の仕方をしている。フツーの日本企業からしたら、離れ業みたいな仕事の仕方に思えるかも知れないが、21世紀のあるべき組織形態とはこういうもんなんだと、また自分に危機感を植え込む。

●学習する組織の秘密
   ◆パーソナルマスタリー
    何をするときも、以下の質問を自分に投げかける習慣をもつ
     パーソナルマスタリーを持つための質問
      ・私は、なぜこの仕事に取り組むのか?
      ・私は、この仕事で何を達成したいのか?
      ・私は、この仕事を通じて何を得る(学ぶ)のか?
      ・私は、次に何をしたいのか?
     パーソナルマスタリーを持っている人は、以下の問いに答えられる
      ・私の動機(モチベーション)の源泉は何か?
      ・私は、自分らしさを活かし、世の中あるいは、周囲に対して、
       どのような貢献がしたいのか?
      ・私の追い求める夢(ビジョン)は何か?
   ◆チーム学習
   ◆メンタルモデル
   ◆システム思考
   ◆共有ビジョン

特にパーソナルマスタリーは大事だと思うので抜粋。これは別に仕事に限定されるものでなく、人の人生の目的とは何かを考える上でも、キーワードになりそう。覚えておこう。

◆なぜ危機感がない!ニッポンの大企業・夏野剛氏の新連載 ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMITbq001011092008&landing=Next

で、元ドコモ執行役員の夏野さんがおっしゃっているように、

問題はマネジメントだ。幹部は取り替えがきかない。きくかもしれないが、まだまだ根強く残る日本の経年数重視昇進システムは、幹部ほど長い期間その会社にいるという仕組みを作り上げてしまった。
勤務年数が長い分、危機感は薄い。変革意識に乏しい。残業規制も幹部には関係ないはずだが、一番早く帰り、率先して休みをとる。ゴルフも接待も多い。が、給料は高い。今現在の自分の会社にとっての価値よりも、どこか過去の会社への「貸し」(人生を会社に捧げて生きてきたこと)を自分に役職がある理由だと思っている。

という危機意識のない組織は、おそらく生き残ることはできないだろうね。合掌。

チーム・ダーウィン――「学習する組織」だけが生き残る

チーム・ダーウィン――「学習する組織」だけが生き残る