:NO.105『ユージニア』

hiroki-u2008-09-20

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ユージニア (角川文庫 お 48-2) (文庫)
恩田 陸 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/404371002X/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 6点 ] ※10点満点中

ノローグの断片の連続。主語が誰だかだんだん分からなくなって、頭がぐちゃぐちゃになっていく。そんな本。

想像力は現実を凌駕する。どれが真実なのか、多分そんなことはどーでもいい。それぞれにとって、それはある一定方向からの真実だから。

本編とはあまり関係ないが気になったのでMEMO

大人って、子供に対して時間をケチるんだよね。
自分の使える時間全体を百とするなら、子供に使う時間は十くらいと決めている。近所の大人だったら、よその子に使うのは、二か三くらいかな。声掛ける時も、ここで一くらい使っといてやるかっていう割り当てを計算しているのが見え見えなんだ。だから、何か話し掛けて、子供がそれに食いついてきて、一のつもりだった時間を三使わせられそうだって感じると、みんな慌てて子供を突き放す。
子供は、大人が自分に対して時間を惜しむのに敏感だ。惜しまれると余計に欲しくなるから、必死に大人から時間を奪い取ろうと頑張る。大体逆効果になって、失敗するんだけどね。そうやって大人に対する不信とあきらめを覚えていく。


ケチってはいけません、っと。