:NO.114『ドラッカー先生の授業』
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ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室 (単行本)
ウィリアム A コーン (著), 有賀 裕子 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270004045/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 7点 ] ※10点満点中
弟子から見たドラッカー先生の授業について。
とても尊敬の念が込められているのが、言葉の端々で感じることができる。
どちらかというと、自己啓発的な面よりも、ドラッカー先生の生い立ちやキャリアなどの自伝を伝える部分に興味が惹かれた。
彼は18歳で自分の意志で高校卒業後1年間貿易会社に勤めている。しかも、裕福な家庭に生まれたのに、普通に丁稚奉公のような形で。そして、父親も大学教授であり将来的には教壇に立つことをゴールとしていたにも関わらずにである。その目的が、複眼的なものの見方をするためなのか、なんのためなのか、すでに故人であるため真実は分からない・・・。ただ言えることは、学生生活の途中で一旦社会に出てみるということが、かけがえのない貴重な体験だと身をもって気付くには、悲しいかな実際に社会人になってからでないと分からないものだよなー、ってこと。18歳のドラッカー先生は、自分のキャリアについても、はるか将来を見据えていたのかなと凄さを感じた。
さて、本書で気になった点は以下2つ。
まずは、"自信は少しずつ培うもの"の章で気になった点。
自信を培う4つの方法
・縁の下の力持ちになる
・専門性を身につける
・前向きな発想をする
・自信をもつことにより、さらに自信を深める
この中では特に1つ目の『縁の下の力持ちになる』が気になった。
若いうちの苦労は買ってでもしろ、みたいなことわざ?があるように、雑用であれ、どんな些細なことであれ、それをすることによって自分が出来ないことが出来るようになるということは、自信に繋がることである。少しずつ出来ることを増やしていくことが、自然と自信を深めることになる。
うーん、確かに。ということで、まずは縁の下の力持ち的に、家族にコーヒー淹れることから始めようかなー、なんて。
もうひとつは、"ナレッジワーカーのやる気をいかに引き出すか"の章で気になった点。
こんな組織は本当にあるのだろうか?
みなさんは、以下のすべてを満たす組織を想像できるだろうか。
・働き手は週末も返上して、文字どおり身を粉にして働いているが、不平は少しももらさない。
・働き手は、金銭的な対価を受けとらず、ごくまれにモノをもらう
・仕事には危険がともない、ケガは日常茶飯事である
・仕事は完全に働き手の自主性に任されている
・仕事への意欲は一般にきわめて高い
・この組織にはいつも、受け入れきれないほどの働き手が押し寄せる
・働き手は、「組織の目標を達成したいという熱い思いに突き動かされている
正しい答えを導く人はごくひと握りにすぎない。たとえば、高校のアメフトチームはどうだろう?
「なるほど。でも、それは仕事ではないでしょう。アメフトはゲーム、つまり趣味の一種だから」。そのとおり。この点にこそ、知識労働者のモチベーションを引き出す秘訣がある。仕事に自主的なゲーム、つまり趣味のような性格をもたせる必要があるのだ。
アメフトチームよりもボランティアのほうがしっくりくる。
家具メーカーのハーマンミラー前会長のマックス・デプリーの言う
「組織にとって最高の人材とは、まるでボランティアのように仕事に取り組む人々である。このような人材はおそらく引く手あまたであるため、給料や肩書きなどよりも、むしろ見えにくい要因をもとに働き場所を選ぶ。ボランティアが求めるのは契約ではなく約束である」
と根っこでは相通じており、自主性→面白さ→高いモチベーションのプラススパイラルが人のやる気を導き出すんだと納得。そして、これって、別に仕事だけでなく、学業や人生そのものにも当てはまる真理なんだなと思った。
P.S マズローの欲求段階説とか、マグレガーのX理論とY理論とか、大学卒業後久しぶりに聞いたコトバで、自分の脳が大学時代に授業を受けているかのようなフラッシュバック状態に。さすがドラッカー先生の授業、恐るべし。
- 作者: ウィリアム A コーン,有賀裕子
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 単行本
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