:NO.147『生物と無生物のあいだ』

hiroki-u2009-01-01

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生物と無生物のあいだ (講談社現代新書) (新書)
福岡 伸一 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061498916/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 9点 ] ※10点満点中

面白かった。特にDNAの二重らせん階段を見つける行はミステリーのよう。

A(アデニン)、T(チミン)、C(シトシン)、G(グアニン)の4種のヌクレオチドから構成されるDNA。シャガルフはそこに、Aの含有量とT の含有量が等しく、Cの含有量とGの含有量が等しいことに気付く。つまり、常にDNAは、A=T、C=Gの状態であるという。当時このパズルは誰にも解けず、早くからその文字列の出現パターンに気付いていたシャガルフ自身も分からなかった。

答えは、DNAは"対構造"をした二重らせん階段の形態を取っているから。

結論を知っていれば、「なんだ、そんなこと。」となるが、ノーベル賞を受賞したワトソンとクリックが気付くまでには様々な人間模様があって、科学者も人の子だなって思ってしまう。

また、エルヴィン・シュレーディンガーが著した「What is Life?」という物理学者からの予言書には畏敬の念すら感じ、後世の生物学者にかくも影響を与えているのかと驚きを禁じ得ずにはいられない。

結論。内容は特に専門的ではなく、平易で分かりやすく読みやすい。そして、一般教養として絶対知っておくべきスゴ本でした。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)