:NO.104『実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択』
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実践 行動経済学 健康、富、幸福への聡明な選択 (単行本)
リチャード・セイラー (著), キャス・サンスティーン (著), 遠藤 真美 (翻訳)
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[ 7点 ] ※10点満点中
リバタリアン・パターナリズムのすすめ。人間は、経済合理性をベースに的確に間違いなく判断するホモ・エコノミクス=エコノではなく、ついつい非合理な判断をしてしまうホモ・サピエンス=ヒューマンなんだというのを前提に、どうすれば社会をより良い方法へ導くことが出来るか、そういったことをいくつものケースを例示してお勉強。
思いっきり簡単にまとめてしまうと、ヒューマンは物事を判断する場合、既定値バイアスがかかるので、システム等の提供者はデフォルトを何にするかが非常に大事になってくる。年金プランを提示されても、あるプランが国のオススメプランとして既定値になってたら、深く考えずに、「ま、これでいっか。」とばかりにそのままを選択しちゃうから、何よりデフォルトが何かは重要ですよって話。(もちろん、デフォルトから変更できるオプションも可能にした上でね。)
もっと分かりやすい例で言うと、テレビのリモコン使っていつでもチャンネル変えられるけど、なんとなく惰性でそのまま同じチャンネル見てしまうとか、成り行きで年間購読しちゃった本を解約すればいいものをなんとなく継続しちゃってる、みたいなの。
そのため、我々ヒューマンは気の利いたリバタリアン・パターナリズムを必要としているし、また知らず知らずにその罠にも嵌り、恩恵も享受している。でもって、自分はエコノだって思ってる自信ありげな人ほど、ある部分ではヒューマンな非合理な判断をしているんだなぁと。
そういえば、帯にある"行動経済学の全米ベストセラー"って、映画でやってる「全米が泣いた!」ってのと同じ過剰広告みたいなもんか?
それともこれもリバタリアン・パターナリズムの一種?うーん、そこんところはよく分からなかった・・・。
- 作者: リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/07/09
- メディア: 単行本
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