:NO.105『アニマルスピリット』

hiroki-u2009-09-12

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アニマルスピリット (単行本)
ジョージ・A・アカロフ (著), ロバート・シラー (著), 山形 浩生 (翻訳)
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[ 8点 ] ※10点満点中

積ん読になってたけど、『実践 行動経済学』の続きに読むべきだと思い、読了。

アニマルスピリットとは、人間の"非経済的な動機や不合理な行動"のことを指し、資本主義を深く理解するには欠かせないキーワードになっている。そのアニマルスピリットを理解する上で欠かせないのが、"安心"、"公平さ"。

人々が幸せになる行動の大半は、自分がやるべきことに照らして恥ずかしくないだけのことを実行することなのだと示した。他人に公平でないと思われると侮辱されたように感じる。同時に、人々は他人だってやるべきことに照らして恥ずかしくないだけのことをやるべきだと考えている。他人が公平でないと思うと人は腹をたてる。
(略)
つまり公平さは経済学に、自分や他人がどう振る舞うべきかについてのみんなの意見という概念を持ち込むことになるわけだ。

上記に書かれている"公平さ"や昨今のサブプライムローン崩壊を機に世界中で多くが失われた"安心"というコトバ。

これらが重要なのはよく分かる。でも、なんかモヤモヤするなぁ。そもそも経済学ってなんだったっけ?ということで、Wikipediaで"経済学"を調べてみると・・・、

経済学(けいざいがく)とは、この世において有限な資源から、いかに価値を生産し分配していくかを研究する学問のことである。総じて社会全般の経済活動が研究の対象である。

経済学 - Wikipedia

なるほど、その通りだ。で、もう少し読み進めると、その特徴のなかで触れられる科学性という箇所が目に留まった。

[科学性]

自然科学に比べ不確定要素の大きい人間が深く関わる物が研究対象である性質上、数理的理論・実験が困難な分野が多い人文科学・社会科学の中において、特に、積極的な数理的検証を試みている事が挙げられる。そうした性質から、経済学は物理学が「自然科学の王」と呼ばれているのに対比し「社会科学の女王」と呼ばれている。しかしなお、人間の心理も関与する不確定要素の多い複雑性システムの数学的モデル化は容易ではない。現実の経済現象の観察、モデル構築、検証という一連の循環的プロセスによる研究方法は一部存在するもののいまだ十分であるとは言えない。

経済学 - Wikipedia

そう、この科学性だよ。モヤモヤの原因は、この"安心"、"公平さ"といったものは数学的モデル化が非常に難しいってことかな。
要するに、"安心"、"公平さ"というのが大事で、今の経済学のトレンドなのは分かったけど、じゃあどうすりゃいいんだよーーって叫びです。

P.S.
あ、そうそう。なにより一番よく分かったことは、「飲み会の後、電車に揺られて帰宅途中に読む本じゃないってこと」
それは良く分かった。(二日酔いはしんどいです。)

アニマルスピリット

アニマルスピリット