:NO.124『福田君を殺して何になる』
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福田君を殺して何になる (単行本)
増田 美智子 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中
二人の尊い命が奪われた山口母子殺人事件。事件の時点で加害者は18歳と1ヶ月の未成年。そのため実名出版で物議を醸したこともあり、本書はちょっと気になってました。(Amazonで検索しても未だに出てきません。)
本日、有給休暇取得(世間は祝日だけど・・・)でヒマだったんで本屋に行ったら、平積みされてたので、立ち読み→読了。
著者は28歳で、加害者と同じ年。同年代の目線で且つ取材事実に即して書かれているのは分かるけど、やっぱり被害者サイドの取材が少なくバランスに欠けるように思う。とはいうものの、最後に書かれていた被害者遺族の言葉の重みには参った。著者の言う"正鵠を得た"主張というのがまさにそうでで、このようなセンセーショナルな事件に対するマスコミの取るべき姿とはこうあるべきだとズバリ答えている。どんなマスコミの発するコトバよりも、事件後に思考の深みをどん底まで極めたであろう彼の言葉の重みの前には太刀打ちできないよね。
おそらく今後世に出ることはないと思うが、被害者遺族の手記が出るようなことがあれば、必ず読んでみたいなと思った。
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- 作者: 井上薫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/02/11
- メディア: 単行本
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