:NO.146・147『銃・病原菌・鉄―1万3000年にわたる人類史の謎』

hiroki-u2009-12-29

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銃・病原菌・鉄―1万3000年にわたる人類史の謎 (単行本)
ジャレド ダイアモンド (著), Jared Diamond (原著), 倉骨 彰 (翻訳)
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[ 9点 ] ※10点満点中

ピューリッツァー賞、コスモス国際賞受賞作。読了。特に序盤のつかみはものすごい。続きが読みたくて、読むのを止められない感じは久しぶり。まずなにより題名。そして章のタイトルがすごい。銃・病原菌・鉄って・・・。

銃・病原菌・鉄[目次]
 
 プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
 
 第1部 勝者と敗者をめぐる謎
  第1章 一万三〇〇〇年前のスタートライン
  第2章 平和の民と戦う民との分かれ道
  第3章 スペイン人とインカ帝国の激突
 
 第2部 食料生産にまつわる謎
  第4章 食料生産と征服戦争
  第5章 持てるものと持たざるものの歴史
  第6章 農耕を始めた人と始めなかった人
  第7章 毒のないアーモンドの作り方
  第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
  第9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
  第10章 大地の広がる方向と住民の運命
 
 第3部 銃・病原菌・鉄の謎
  第11章 家畜がくれた死の贈り物
  第12章 文字を作った人と借りた人
  第13章 発明は必要の母である
  第14章 平等な社会から集権的な社会へ
 
 第4部 世界に横たわる謎
  第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー
  第16章 中国はいかにして中国になったのか
  第17章 太平洋に広がっていった人びと
  第18章 旧世界と新世界の遭遇
  第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったか
 
 エピローグ 科学としての人類史

世界の人類史を紐解くのに、ニューギニアの文明を起点に様々な疑問を解決しようとする。そもそも、ニューギニア自体、ほとんど何も知らないし。へぇ、へぇ、へぇ、の連続。心はガッツリ鷲づかみ。そして、「人種による優劣という幻想」をぶった切る。なぜ、ヨーロッパ人がアメリカに到達したのは必然だったのか。アメリカ先住民がヨーロッパに先に到達できなかったのはなぜなのか。

歴史に"if"は存在しないが、これを読むと人類社会1万3000年の歴史はミクロ的にはいろいろ紆余曲折あったかもしれないが、マクロ的な大きな流れの中では、今の世の中は成るべくして成ったんだということがよく分かる。

正真正銘のスゴ本でした。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎