:NO.50『この国を出よ』

hiroki-u2010-10-26

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この国を出よ (単行本)
大前 研一 (著), 柳井 正 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中

今週末、この国を出るので読んでみました。読了。

表紙はえらい笑顔なんだけど、中身は辛辣。
誰一人信頼できない政治家、3年以内に国債はデフォルトしそう、それなのに、若者は海外へ出たくないって言い出す始末。まったくもってノーテンキな日本人。そんな日本にもう黙ってられない2人が物申す。ほとんどボロカス。褒めてるところほとんどなし。

年収が370万円なのに、920万円も使ってしまうようなものです。しかも、この家庭には、1億円近くの借金があるのです。その返済のメドも立たないのに、毎年400万円の新しい借金をしている。この家庭に、いつまでも借金を続けることは可能でしょうか。

日本の国家財政を一般家庭に当てはめるとわかりやすいなー。こんな破綻した家庭にお金を貸す銀行はないよね。

じゃあ、日本再生のためにはどうすればいいのか。

(1)所得税法人税ゼロにして消費税をアップ
(2)若手議員の育成(10年計画で鍛えて一国のリーダーに)
(3)一院制参議院を廃止)
(4)官僚のリストラ(解雇できるシステム)
(5)教育改革(グローバル基準と3C)

本書で言っているのはこの5つになるのかな。

著者の視点はビジネス視点で政治、国の在り方を考えてしくみを考えろってことに尽きる。(5)の3CもCustomer(顧客)、 Competitor(競争相手)、Company(会社)の観点を教育にも導入して、何のために教育をするのかを考えて取り組むべきということみたい。ここでいうCustomerは採用してくれる「企業」、Competitorは「先進国」や中国、台湾、韓国、インドといった「新興国」、Company は「自分」に置き換えて、ビジネスから教育へ変換してみるんだって。

"この国を出よ"ってタイトルなので、国を出るためには何をすべきか、出て行った後に何をすべきかといった点を論ずるかと思ったら、どっこい、日本再生でした。。5年後に(1)〜(5)がすべて実行されていたら、さぞかし素敵な日本に変わっていることでしょう。その辺は日本在住の皆様にお任せして、私は一人この国を出ます。

それでは、さようなら〜。

この国を出よ

この国を出よ