:NO.23『山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか』
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山口組概論―最強組織はなぜ成立したのか (ちくま新書) (新書)
猪野 健治 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448006463X/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 9点 ] ※10点満点中
兵庫県民としては、読んでおかねばということで読了。
3代目組長の娘の田岡由伎さんのコトバが印象的。
(お父さんは)「どうしたら暴力団がなくなりますかね」と真剣に聞き続けていた。"ゼロ"になれば理想や。ゼロにするためにはどうしたらいいだろう。ゼロにするには難しいとしても、せめて少なくしたい。そのためにはどうしたら・・・・・お父さんは常にそのことを考えていた。
人が増える、組織が大きくなる、喜ぶのが普通だろう。しかしお父さんは「なんでやろう」と考える。うちの組織が大きくなるということは、"淋しい人間"が増えてるということや。落ちこぼれの人間が増えてるということや。
暴力・犯罪はもちろん許されるべき事ではないが、いろいろな意味で下層な人々の受け皿であったことは事実で、かつてはひとつの社会基盤として機能していた。それが平成にはいって暴対法施行により、山口組も代紋を掲げない事務所が増え、"見えない組織"化してきている。それは、犯罪の地下潜行だけでなく、社会基盤の沈下も意味しているのかもしれないなと思った。
それにしても、39,000人はすごいな。暴力団員の約半分を占めてるし、そりゃ最強でしょ・・・。
- 作者: 猪野健治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 新書
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