:NO.68『多読術』
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多読術 (ちくまプリマー新書) (新書)
松岡正剛 (著)
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[ 9点 ] ※10点満点中
あぁ、面白かった。で、この本、全然"多読術"じゃあない。どっちかっていうと、本とのつき合い方とは?だったり、あなたの人生にとっての本とは?みたいな感じか。著者も全然多読を薦めてるわけではないしね。
そしてこの本、考えるべきポイントが多すぎて、何書けばいいのか分からないくらい。とりあえず心に留めておきべきポイントを箇条書きにしておこうと思う。
読書って二度するほうがいいんです。同じ本をね。というのは、読書にはその本のこととはべつに、いつ読んだのか、どんな気分で、どんな感受性のときに読んだのかということが、密接にかかわっている。道中がくっついている。宿泊先の枕の感触もくっついている。読んだ本の感想を書くには、このことを無視できない。
読書はそもそもリスクを伴うものなんです。それが読書です。ですから、本を読めばその本が自分を応援してくれると思いすぎないことです。背信もする。裏切りもする。負担を負わせもする。それが読書です。だから、おもしろい。
読書は「わからないから読む」。それに尽きます。
本は「わかったつもり」で読まないほうがゼッタイにいい。
読書というのは、読む前に何かが始まっていると思ったほうがいい。それを読書をするときだけを読書とみなしているのが、とんでもないまちがいです。
もっといえば、「恋心は定まらない」ということです。そこには挫折も失望も含まれている。読書はそれに似ているということですね。
(中略)
しかしそれが恋心というものです。そういう心境のとき、言葉は香りにもなるし、毒にもなる。それがナイーブでフラジャイルな傷つきやすさというものです。読書というのもそういうところがある。
なぜなのか。これは決定的なことですが、そこには「他者」がかかわっているからです。読書は他者との交際なのです。
おなかいっぱい。でも、二度読もう。そう思った。
[ご参考]
◆松岡正剛の千夜千冊・遊蕩篇
- 作者: 松岡正剛
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/04/08
- メディア: 新書
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