:NO.102『ソニー VS.サムスン』

hiroki-u2009-09-08

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ソニー VS.サムスン (単行本)
張 世進 (著)
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[ 9点 ] ※10点満点中

面白かった。これ、良書。
韓国人が書いてるからサムスン贔屓かとおもったけど、全然そういうこともなく中立的な書き方をしてるし。

内容は、両社の組織プロセスとリーダーシップの比較分析。

興味深かったのは、ソニーの出井氏はカリスマ性が欠如していたとバッサリ切り捨てている点。一時は世界のトップ経営者25人に選ばれるなど、世間的にはカリスマ性を持った経営者と見られていたが、実はそうではないと言う。本人もそこを自覚的であり、そのためカンパニー制度を推し進めてヘッドクォーターの権限を事業部トップ、子会社トップへと委譲していく。しかし、本社と現場のバランスを逸した組織はその後低迷を続け、今日のソニー凋落のキッカケを作ってしまったというのだ。なるほどなぁー、と楽しく読めた。

まさしく、失敗から多くを学ぶというのならば、本書は多角化された企業すべてにとって必読書となろう。

P.S.
歴史にIfはないけれど、久多良木さんがCEOになっていたらなぁ。ふと、PSPのボタンが上手く作動しないことに対して、「それは仕様。」と言ってたのを思い出した。

ソニー VS.サムスン

ソニー VS.サムスン