:NO.115『グーグル革命の衝撃』

hiroki-u2009-10-12

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グーグル革命の衝撃 (新潮文庫) (文庫)
NHKスペシャル取材班 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中

Googleがインターネットの海に船出する我々に航海図を持たせてくれた。最短距離で目的地に到達させてくれるようになった。昔のヤフーのようなディレクトリ検索にはもう戻れない。

電気、水道と同じように必需品になったGoogleだけど、Googleが進化すればするほど、ハズレがなくなり、目的どおりの場所に最短距離で連れてってくれる。でも、それは素晴らしいコトなのか?

東大の小宮山総長は言う、

「便利さの中にこそ落とし穴がある。情報収集にかけた膨大な手間と時間は、無駄なように見えて、決して無駄ではなかった。その作業を通じて、頭の中では多様な情報が関連付けられ、構造化され、それが『閃き』を生み出す基盤となっていたからだ。インターネットで入手した、構造化されていない大量の情報は『思いつき』を生み出すかもしれないが、『閃き』を生み出すことは極めて稀だ。頭の中に、いかに優れた知の構造を作ることができるか、それが『常識を疑う確かな力』を獲得する鍵なのだ」

どんどん最短距離になる。Amazonのショッピングでも自分の好みに合うようなレコメンデーションを提示してくれる。それは素晴らしいコトなのか?

SEO専門会社のCEOは言う、

「インターネットは距離や時間の概念を超えることになりました。いま、インターネットの世界で『距離』に値するものがあるとすれば、それは検索の順位にほかなりません」

検索結果に満足して、分かったつもりになるのだろうか。そこにセレンディピティは存在するのだろうか。

ラリー・ペイジは言う、

「最もエキサイティングな最前線では、あなたは自分の脳の中にグーグルが入ることを考えてみたらいい。例えば、あなたが何かを考えた途端に、あなたの携帯電話がその答えをあなたの耳にささやくということを」

でも、その時の僕は、その答えが正しいかどうか分かるだろうか。

そんな時代がもうすぐやってくる。

グーグル革命の衝撃 (新潮文庫)

グーグル革命の衝撃 (新潮文庫)