:NO.9『その数学が戦略を決める』

ワインの品質を方程式で導く?

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その数学が戦略を決める
イアン・エアーズ (著), 山形 浩生 (翻訳)
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ワインの品質を方程式で導くことができるそうです。

ワインの品質=12.145+0.00117×冬の降雨+0.0614×育成期平均気温-0.00386×収穫期降雨

どの年でも気象情報を入力すればヴィンテージワインのおおまかな品質を予測することができるそうです。

昨今、野村監督のデータ野球に代表されるように、何事もデータ重視が叫ばれるようになっていますよね。また、ITの進化によって、大量データのマイニングが比較的簡単になってきていることもあり、ますますその傾向は強くなることは必至。
この本ではデータを活用した将来予測と人(専門家)が積み上げてきた経験による予測とでは、確実に前者が勝利するということをさまざまな例を挙げて示しています。また、人はそのことを結果として見せられたとしても、自分の存在価値の喪失回避、および専門家としての既得権益固執?するあまり、自分の経験・勘に頼ってしまうのだそうです。

この本を読んで役に立った点は、最終章において書かれている"標準偏差"と"ベイズ理論"。日常生活でもちょっとアンテナを張っておけば、専門家の言うことやマスメディアの報道を鵜呑みにせずに自分の頭で考えることができるもしれません。(といっても、考えるためにはある程度の前提データを必要としますが・・・。)

[ベイズ理論]
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2006/01/post_440.html

その数学が戦略を決める

その数学が戦略を決める