:NO.149『格差はつくられた』

hiroki-u2009-01-03

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格差はつくられた
 ―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略 (単行本)
ポール クルーグマン (著), Paul Krugman (原著), 三上 義一 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152089318/cg0853-22/ref=nosim/
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[ 8点 ] ※10点満点中

今年ノーベル経済学賞を受賞したポール クルーグマンの著。

1900年初頭から約100年間のアメリカの格差の歴史がよく分かる。ややこしい話で理解がついていかないかと思ったけど、平易、分かりやすい。アメリカ合衆国大統領選挙のタイミングでこの本を読んでおけば、もっと楽しめたのに・・・と思った。

著者は、リベラル・民主党寄りで、いわゆる「保守派ムーブメント」であるネオコンブッシュ政権批判の急先鋒でもある。そこを割り引いたとしても、本書に書かれているように共和党の政策によって"格差"が拡大されていったのはまぎれもない事実だろう。そして、最近のアメリカの保守化→"格差"の拡大が行き過ぎであるのは明らかであり、昨今のサブプライム問題に端を発する金融危機の責任は、富裕層を手厚く保護して様々な規制緩和を進め過ぎたブッシュ政権に他ならない。そんな時代に符合するかのように民主党で黒人初のオバマさんが登場するのは、やはり時代の要請なんだろうか。

アメリカが「チェンジ!」できるのか、今年が楽しみだ。

格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略

格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略