:NO.129『会社のデスノート』
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会社のデスノート トヨタ、JAL、ヨーカ堂が、なぜ? (単行本)
鈴木 貴博 (著)
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[ 8点 ] ※10点満点中
漫画のDEATH NOTEに引っかけて、題名も『会社のデスノート』とし、帯にも「神の見えざる手が会社を殺す!」とちょっと大げさな感じだが、中身はいたってまとも。元 BCGだけにコンサル的な考えで、リーマン・ショック後の自動車業界の予測や日本のサービス業の将来性について、すっきりまとまっていて読みやすい。
本書の中で一貫して話の中心にあるキーワードが、"弾力性"。
著者は、今後自動車業界が急激な需要増により回復すると予測。予測の根拠は、短期の所得弾力性によって、アメリカ実質経済成長率と北米市場の自動車販売台数に相関関係があるとのこと。そのため、今後の急激な需要増に対応するために生産能力を確保し、機会損失をいかに減らすかが重要であり、業績V字回復もそれにかかっていると説いている。
また、日本のサービス業の将来性についても、そもそも日本においてサービス業が発展しないことには日本経済成長の未来はないとし、"重サービス業"へシフトすべきと提案。"重サービス業"というのは著者の造語だが、要は、労働集約型から資本投下型サービス業へシフトさせて生産性を上げましょうというもの。
昨今のソフトウェア、インターネットのビジネスにおいて、日本は要素技術は良いもの持ってるけど、ビジネスモデルを作るのが下手でおいしいところを欧米企業に持ってかれ続いてるんで、この"重サービス業"の場面では、上手くビジネスモデルを作っていかなきゃいけないんだろうなーと考えさせられた。
◇弾力性 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%BE%E5%8A%9B%E6%80%A7
- 作者: 鈴木貴博
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/11/06
- メディア: 単行本
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