:NO.134『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』
*******************************
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 (単行本)
クリス・アンダーソン (著), 小林弘人(監修・解説) (監修), 高橋則明 (翻訳)
*******************************
[ 9点 ] ※10点満点中
読了。これ良書でした。
ロングテールの提唱者が今度は「フリー(無料)」について論じたのが本書。無料に関する取り組みとして、本書そのものにおいても、「書籍発売前に全編を無料公開」をWebで実施したりと結構、実験的であり先鋭的。(先着1万名様で、今はもう締め切られている。)
本書では、無料のルール−潤沢さに根ざした思考法の10原則として以下を挙げている。
①デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる
②アトムも無料になりたがるが、力強い足取りではない
③フリーは止まらない
④フリーからもお金儲けはできる
⑤市場を再評価する
⑥ゼロにする
⑦遅かれ早かれフリーと競いあうことになる
⑧ムダを受け入れよう
⑨フリーは別のものの価値を高める
⑩希少なものではなく、潤沢なものを管理しよう
そして、フリーに抗うのではなく、受け入れて強力な味方にすることとして、フリーミアムを提唱している。
フリーミアムとは「フリー(無料)」+「プレミアム(割増料金)」の造語で、基本サービスを無料で提供することで顧客を広く集め、その何割かに有料で高機能のプレミアム版に移行してもらうビジネスモデルです。
「タダより怖いものはない」とは昔から言われてきた言葉だけど、その本意は、実質的には無料でなくて、トータルで考えるとコストがかかってタダじゃないですよってこと。たしかに機会費用まで考えると正直タダって存在するの?って疑っちゃうけど、タダになる構造を理解すれば、タダも怖くない。きっちりタダを享受しちゃえばいいんじゃないって思う。
ま、こんなこと考えてる時点でフリーを当然あるものとして受け入れる"デジタル世代"じゃないって証拠みたいなんだけどね・・・。(本書では、現在30歳をボーダーとしてフリーに対して無意識的な"デジタル世代"とそうでない世代を分けている。)
そういやさっき、TVちびまる子ちゃんで祖父の友蔵が宝くじが当たったらモアイ旅行に行きたい〜というくだりで、まる子に「夢見ることはタダじゃー。」って言ってたけど、フリーは上手く利用すればユーザーにとって有益であり、企業にとっても無限の可能性を秘めていることは確かです。(尚、友蔵とフリーは全く関係ありません。)
◇フリーミアム.jp [FREEMIUM.jp] クリス・アンダーソン著 『フリー <無料>からお金を生みだす新戦略』
http://www.freemium.jp/
◇書籍発売前に全編を無料公開 NHK出版「フリー」で初の試み
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0911/13/news066.html
- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
- 購入: 133人 クリック: 3,796回
- この商品を含むブログ (533件) を見る