:NO.142『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』

hiroki-u2009-12-17

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新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に (単行本)
小林弘人 (著)
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[ 8点 ] ※10点満点中

本書は、旧来のメディア業界向けに書かれたものではなく、一般企業、個人に向けて書かれた本である。

今年はわたしが思うに、旧制度に依拠したメディア企業の「本当の終わりの始まり」のような気がします。あるいは、その言い方が気に入らないのなら、こう言い換えましょう。今年は、ここからの先の10年、いや、20年先までもが決まってしまう「決断の時期」なのです。しかし、日本のメディア人の多くが頭では理解しているにもかかわらず、、既存のメディア企業(特に新聞社、出版社)はその成立ちと制度的な構造に手足を縛られ、なにもできないというのが現状なのかもしれません。

と、冒頭にあるように、そもそもの前提は、新聞・雑誌は、すでに死の床にあるということ。まさに『その成立ちと制度的な構造』というのは、絶滅した恐竜を彷彿とさせます。

これからのメディアというのは、すべての企業、個人がアテンション・エコノミーとして一括りにされ、垣根がなくなることを運命づけられている。旧来のメディア企業などという枠組みでビジネスを捉えていては衰退していくしかないか。ま、頭では理解しているんでしょうけどね。

その代わりと言ってはなんですが、名もなき個人にとっては可能性に溢れた時代になろうとしてます。そんなアテンションに溢れた世界は、受け身となる個人にとって幸せな世界なんだろうか。24時間年中無休で心休まらない世界になってほしくない、そうは思いますが。

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に