:NO.5『自壊する帝国』
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自壊する帝国 (新潮文庫) (文庫)
佐藤 優 (著)
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[ 9点 ] ※10点満点中
その日本人離れした風貌だけでなく、中身も大学での専攻がチェコ神学だったりとあまりに特殊すぎる佐藤優氏の自伝。ロシア人には、ゴルノバダフシャン人に間違えられるとか、完全に規格外。でもって、外務省での彼の働きっぷり=ソビエト高官との人的ネットワーク作りの巧さはスゴイの一言。こういう人材が国家インテリジェンスの最前線から退かざるを得なくなってしまったのは、国家的損失以外のなにものでもないなーと。
そして、本書の舞台は崩壊前のソビエト連邦。こういう国が20年前に存在していたことが信じられない。また、彼とソビエト連邦の若手知識人との知のぶつかり合いは、会話の内容は絶対理解不能だが、青春時代(著者は当時30代だが・・・、)の清々しさみたいなものを感じさせてくれる心地よさがあったりする。
そんな本書はハリウッド映画も顔負けのサスペンス・スリラーで、特殊、規格外、信じられない、アンビリーバボーなことばかりで最初から最後まで楽しめた。
佐藤優、遅ればせながら要チェックだなぁ。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: 文庫
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