:NO.6『クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす』

hiroki-u2010-01-24

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クラウドソーシング
―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice) (単行本)
ジェフ ハウ (著), Jeff Howe (原著), 中島 由華 (翻訳)
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[ 7点 ] ※10点満点中

Wikipediaによると、

クラウドソーシング(英語: crowdsourcing)は、不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態。ウェブサービスのトレンドの一つでもある。

だそうである。

少数の専門家(プロ)よりも多数のアマチュアのほうがより良いアウトプットを出すというのは、最近のWebサービスを見ているとなんとなくそうかもしれないなぁと思っていたが、これを読むとなるほどと思える。キーワードは"多様性"。少数の専門家(プロ)の場合、専門性・指向性が似ているために思いがけない問題解決に到達できないことがあるが、アマチュアが生み出す無数のアイディアはそこを突破する破壊力があるということ。

本書では、あるソフトの改良を例に挙げて説明している。実際、駆け出しのプログラマーがビギナーズラック的にキッカケ(ある意味まぐれか?)を作り、そこにベテランプログラマーが知を重ねてより良いモノを作り上げていた。

しかも、強みは無報酬、ローコストでやってるってこと。では、クラウドソーシングに取り組む人々は何を求めているのか?

本書によると・・・、

マズローの五段階欲求説でいう最上位、自己実現欲求を満足させることである。人びとが参加の方向へ引きつけられるのは、なんらかの心理的、社会的、あるいは感情的な必要を満たされるからだ。必要を満たされなければ、参加しない。

だって。これって、バブル崩壊から20年、鬱々とした時代に生きる今の日本の若者達が求めているものなんじゃないだろうかって思ってしまった。その辺を上手くくすぐることが、これからのWebサービスを行うに当たってのポイントかもね。例えば、『pixiv』とか・・・。

あと読んでて気になったのは、クラウドソーシングの得意・不得意分野について。良いことばかり書いてあったけど、なんでもかんでもクラウドソーシングが有利ですよってことはないはずだし、群衆の叡智が、衆愚になっちゃうパターンもあるだろって思ってしまう。どの辺がクラウドソーシングと親和性が高いんでしょうね。

クラウドソーシング - Wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0

クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)

クラウドソーシング―みんなのパワーが世界を動かす (ハヤカワ新書juice)