:NO.13・14『風紋』
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風紋 (双葉文庫) (文庫)
乃南 アサ (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中
この前読んだ『晩鐘』のキッカケとなった7年前の事件について気になったので読んでみました。加害者の家族にスポットライトを当てた小説ということでは、東野圭吾の『手紙』と同じ。
さきに『晩鐘』を読んでいたということもあり、物語に入り込むための登場人物、背景などの事前情報があったため、かなりギアを上げて読めました。
あまりにも重すぎた『晩鐘』と比べると、非常に淡々とした進行。ただこれが『晩鐘』に続くかと思うと、特に加害者の妻、香織のフツーすぎる主婦っぽさに違和感を感じた。ま、終盤、逞しさの片鱗も垣間見えたんですが・・・。
主人公が自分の置かれた立場に戸惑い、最初はそれに無自覚であるのが、周りの環境の変化に徐々に慣れ、同時に諦めを感じ、自分を客観視できるまでに成長していく姿には、畏怖すら覚える。図らずも達観の域に踏み込まざるをえなくなった悲劇の序章、それが『風紋』。
- 作者: 乃南アサ
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