:NO.17『ネット帝国主義と日本の敗北』
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ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書) (新書)
岸 博幸 (著)
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[ 7点 ] ※10点満点中
Google然り、アマゾン然り、アップルのAppStore然り、プラットフォームの覇権がすなわち事実上のネットの覇権となっている。その覇権者たるアメリカがジャーナリズムと文化を衰退させた原因を端的にまとめたのが下記。
垂直統合モデルのマスメディアやコンテンツ企業から、プラットフォーム・レイヤーのみを活動領域とするネット企業に流通独占と超過利潤がシフトして、コンテンツ・レイヤーに超過利潤が還元されなくなったことがジャーナリズムと文化の衰退の本質的な原因です。
それを助長させているのが、アメリカのフェアユース規定をはじめとする法制度面でのプラットフォーム・レイヤーびいきだということらしい。
日本の国益の観点から考えると、非常に危機的な状況にあるという。ま、そうだわな。
では、日本はどうするか、日本はどうするか、日本はどうするか・・・。
巻末に「日本はどうするか」とあったが、何度読んでもよく分からない。著者の個人的な見解としては、2つあって、「ジャーナリズムや文化が維持される体制を確立させること」と、「プラットフォーム・レイヤーで国産ベンチャーがもっと成功して海外にどんどんビジネス展開すること」とのことだが・・・。
たぶん、気になる人はみんな常々考えてるけど、答えが出ていない問題なんだろうね。果たして日本の未来は明るいのか。
◇フェアユース - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B9
ネット帝国主義と日本の敗北―搾取されるカネと文化 (幻冬舎新書)
- 作者: 岸博幸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/01/01
- メディア: 新書
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