:NO.49『白銀ジャック』

hiroki-u2010-10-24

********************************
白銀ジャック (実業之日本社文庫)
東野 圭吾 (著)
********************************

[ 6点 ] ※10点満点中

東野圭吾の新刊、いきなり文庫化。
読了。テンポがよく話は進む。あれ、もう終わり?
気がついたら終わってた。軽い、軽いなぁ、もうちょっとひねってほしいよな。

最近の東野圭吾は軽いのお好きなのか?個人的には昔みたいな何か社会問題を孕んだテーマを含んだものを期待するんだけど、どうやら王道のミステリーに回帰しつつあるみたい。しかも、軽めで。

こればっかりは好みの問題になるのかなぁ。

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

:NO.48『ドキュメント宇宙飛行士選抜試験』

hiroki-u2010-10-14

*******************************
ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)
大鐘 良一 (著), 小原 健右 (著)
*******************************

[ 8点 ] ※10点満点中

実に10年ぶりに実施された、2008年宇宙飛行士選抜試験のドキュメンタリー。これ面白かった。漫画の『宇宙兄弟』を読んでるので、だいたい同じ内容でわかってるんだけど、やっぱ宇宙飛行士って、すべての少年にとっての憧れ。それだけでドキドキしてしまうよね。

あえて短い言葉で表現するなら・・・、

どんなに苦しい局面でも決してあきらめず、他人を思いやり、その言葉と行動で人を動かす力があるか
その"人間力"を徹底的に調べ上げる試験だったのである。

そう、宇宙飛行士はスーパーマンじゃなかった。実は、スーパーサラリーマンだったのだー。いわば、この試験は究極の就活だったのか。試験内容も、擬似宇宙スペースの密閉空間という条件はあるものの、みんなでディベートしたり、折り鶴100羽折ったり、結構フツーなことをしてるしね。でも、ワクワクするのはなんでだろ・・・。

おっと、宇宙兄弟11巻出てたんだ。早速読まなくてはっ!!

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験 (光文社新書)

宇宙兄弟(11) (モーニング KC)

宇宙兄弟(11) (モーニング KC)

:NO.47『アップルvs.グーグル』

hiroki-u2010-10-12

*****************************
アップルvs.グーグル (ソフトバンク新書)
小川 浩 (著), 林 信行 (著)
*****************************

[ 7点 ] ※10点満点中

常にオープンなグーグルに対して、垂直統合でクローズドな形で品質を担保するアップル。あまりにも真逆のスタイル。しかし、どちらも魅力的。

そして、携帯電話分野でガチンコ勝負中のアップルとグーグル。満を持して登場のサムスン製、最新Android 2.2搭載の「GALAXY S」で“iPhoneキラー”を目指す今こそがまさに決戦前夜か。20世紀のWindowsMacの対決の二の舞になるのかどうか、非常に気になるところです。

もうひとつの主戦場はTV。Apple TVとGoogle TV。今週発表のSony製のGoogle TVの詳細も非常に気になるところです。アメリカでGoogle TVとNetflixを連携して使ってみたいなー、なんて・・・。

◇iPhoneが結んだドコモとサムスン「GALAXY」の縁:日本経済新聞
 http://s.nikkei.com/cv0uWE

Sony introduces the world's first HDTV incorporating the Google TV platform.
 http://discover.sonystyle.com/internettv/

アップルvs.グーグル (ソフトバンク新書)

アップルvs.グーグル (ソフトバンク新書)

:NO.46『ウェブで学ぶ』

hiroki-u2010-09-15

****************************
ウェブで学ぶ
――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)
梅田望夫 (著), 飯吉透 (著)
****************************

[ 8点 ] ※10点満点中

読了。真っ先に思ったのは、『6歳の我が娘は、格差超越装置としてのオープンエデュケーションをフル活用した新興国、途上国の多くの同年代がライバルになって、ほんっとにタイヘンだろうなー。知と情報のゲームにおいて、どうサバイバルしていくのかなー、というのがまず。』自分事ではなく、寧ろこれからの世代はグローバルベースで知的に真剣勝負していかなきゃならないんだなって。あれ?年取ったか?

そして、やっぱ、アメリカは懐が広いなぁ。フロンティア精神ってだけで片付けられないものがそこにはあるね〜、とは思うが、カリフォルニアのように結構足元はグラグラだったりして・・・。

2009年の秋に、カリフォルニア州の高校にデジタル教科書がはじめて導入されることになりましたね。今のところ高校の数学と科学だけですが、無償です。
(中略)
さらに大変なことに、カリフォルニアというのは、アメリカ全50州の中でも、教育レベルが最も低い州の一つなのです。このような状況の中で、いわば「背水の陣」で始められたのが、このプロジェクトです。

カリフォルニアって有名大学が結構あるんで教育水準は高いんだとばっかり思ってたけど、それは高等教育の話であって、初等・中等教育に関してはここまでヒドイ状況だったのね、全米最低レベルとは。大学生はアジア圏の留学生で学力が保たれているのか?
それから、聞くところによると公立小学校では小5になってはじめて、九九を教えるみたいで、算数はかなり進度が遅いみたいです。

あ、言い忘れてましたが、11月にLAのほうへ飛び立ちます。それに向けてただ今、川崎にて研修中。その名も『グローバル基礎講座』。異文化コミュニケーションや海外でのマネジメントスキルの基礎を勉強中。

日本に居てはなかなか感じることが難しい様々な事を少しでも見聞きし、自分も大きくなりたいです。

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

:NO.45『日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率』

hiroki-u2010-09-09

****************************
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社プラスアルファ新書)
浅川 芳裕 (著)
****************************

[ 8点 ] ※10点満点中

読了。面白かった。統計資料もいろいろあって勉強になりました。また、農水省の利権のために作り出した流行語大賞「食料自給率」がいかにデタラメで無用の長物だってことが分かるし。

社会主義市場経済に敗北したことは歴史が証明してるんだから、農家へのバラマキ補助金でなんとかしようとする農業統制経済は止めようよー。と前々から思ってたけど、さらにその認識が正しいんだと再認識。

農水省による統制経済のような中央集権コントロールといった無駄なことしてないとやる"仕事がない"ってことね。この"仕事がない"ってことに対する著者の解決策が面白い。

農産物貿易は国際検疫競争の勝敗で決まるといわれるほど、検疫の重要性は高い。自由貿易とはいえ、農業生産に損害を与える病害虫の侵入をお互い防止する国境措置は、当然認められている。しかし、その検疫の権利を利用して、輸入を妨げるために必要以上の条件を設けることが横行している。事実上の非参入障壁である。そこで各国の検疫担当者は相手国の要求の弱点を探り当て、検疫レベルを下げるよう交渉するのだ。

そこで、この検疫担当者を1,000人規模のレベルで配転して、実際の輸出検疫スタッフや外国との交渉担当者にすりゃいいじゃんって意見。現実問題、個人的なスキルの問題はあるとは思うけどなかなか面白いなと思った。やろうよこれ。

また、本書の締めのコトバが皮肉満載だ。

いってみれば民主党は、農場の衰退を願っているのだ。それはなぜか。農場が弱くなれば弱くなるほど政治の力を必要とし、不安を抱く国民の農政への期待は高まり、一票の換金率が上がるからだ。自給率は、政治と官僚の力を担保するための呪文なのである。

結論、著者はこれが言いたかったのかな?

たしかに思うんだけど、地方と都市部の一票の格差をどうして違憲と言わないんだろね。地方の一票の重みがそもそも都市部と比して価値があることが、こんな屈折した農政の原因のひとつだと思うんだけど、いかがでしょ。
仮に違憲となって、都市部の国会議員のウェイトが増せばもっと政策(農政だけじゃなくてすべてにおいて)も自然と変わってくるのになぁっと・・・。

民主党代表選で盛り上がっている?今日この頃ですが、小沢さん曰く、いまだに「地方のインフラ増強を!!」って言ってるし・・・。ガラガラの高速道路作って、無料高速道路化して、一時的に大混雑して、結局またガラガラってのがオチでしょ。ホント今更かよって思うんだけど。ネオ田中角栄主義はやめてほしいね。ちょっと期待してただけに残念です。(ま、管さんも雇用、雇用、雇用って連呼してるだけだし、どっちもどっちだけど。)

なんか話が飛躍してしまった。

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)

:NO.44『サムスンの最強マネジメント』

hiroki-u2010-08-28

**************************************
ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント (単行本)
申元東 (著), 前坂俊之 (監修), 岩本永三郎 (翻訳)
**************************************

[ 8点 ] ※10点満点中

破竹の勢いのサムスン。韓国では大臣になるより、サムスングループの役員になるほうが難しいって言われるほど、サムスンマンであることのステータスが高い。

そんなみんなが憧れるサムスンに入社するのは狭き門であるのは当然として、課長職になるためにもTOEC920点の足切りがあり、要求スペックは高い。
また、そのような一部の特に優秀な人材のことを社内ではブルーカラー、ホワイトカラーと比して、『ゴールドカラー』と呼ばれているそうな。

特にサムスンの凄さを感じたのは、『地域専門家制度』だ。社員ひとりに10年後を見越して、数億ウォンもの大金を投じて人材育成を推進している。
地域専門家制度は、1990年からサムスンが全世界の主要国に専門家を派遣して始めた制度で、勤務成績が優秀な人材に国際化マインドを育んでもらうために1年間海外へ派遣する。
派遣期間中は直接的にビジネスに関わることはせずに、いわゆる現地で遊学という形をとる。(帰国は許されない。)その間、現地のヒューマンネットワーク構築や物の考え方・文化を徹底的に身につける。そうして体得したことを会社から支給されたノートパソコンとデジカメで自由な形でリアルタイムに会社に報告するだけ。
この地域専門家1名あたり年間1億ウォン(8百万円)を投資している。結果として、サムスンは14年間で60ヶ国以上、700以上都市にのべ 2,800人以上の社員を送り込んでいる。もちろん、この制度は社内でも最も人気があり、公募制になってるため優秀な人材だけが行けることになる。その優秀な人材が会社へ送り続けた情報は常に蓄積され続け、体系的に社内データベース化されている。
世界展開しているサムスンが特に現地マーケティングに注力しているのは、有名な話だが、影でこのような制度に支えられた情報ネットワークあってのことなんだとサムスンの底力を見せつけられた気がした。

会長曰く、「人材を育てないのは罪悪である」と言い切る。中長期的に最も投資効果が高いのは"人"への投資。日本企業が損益悪化に苦しみ、早々に教育費カットに手をつけ、人材育成を怠ってきたツケは思いのほか大きいのかもしれない。

↓と、サムスンマンセーなことばかりが書かれていたけど、世の中そんなに甘くないみたいね。海外に目を向けていたせいで、案外、背後の韓国国内から寝首をかかれる可能性があるのでは・・・。

◇笑うサムスン泣く国民、韓国経済に落とし穴 儲け過ぎの財閥企業に大統領が苦言呈す JBpress(日本ビジネスプレス)
 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/4146

ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント

ソニー、パナソニックが束になってもかなわない サムスンの最強マネジメント

:NO.43『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』

hiroki-u2010-08-16

***********************************************
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン
 ―人々を惹きつける18の法則 (単行本 ソフトカバー)
カーマイン・ガロ (著), 外村仁 解説 (その他), 井口耕二 (翻訳)
***********************************************

[ 8点 ] ※10点満点中

読了。そうか、ジョブズイチローと同じ天才だったのか・・・。
テクニカルなポイントについて、実例をあげて如何にジョブズのプレゼンが聴く者を惹きつけるのかということを説明するが、最も言いたいことはただひとつ。

『練習あるのみ!』

ジョブズはプレゼンひとつを行うのにみっちり時間をかける。

ジョブズは自信を持って気楽にプレゼンテーションをしているように見える。少なくとも聴衆にはそう見える。その秘けつは・・・、何時間もの練習にある。いや、正確に言おう。1日何時間もの練習を何日も何日もするからだ。

とことんこだわり、それに見合うだけ自分自身時間をかける。

そう、「天才!成功する人々の法則」(マルコム・グラッドウェル著)にもあるとおり、達人に到達するまでには最低1万時間を要するというマジックワードが存在する。スティーブ・ジョブズのプレゼン然り、イチローの打撃然りだ。

多分言いたかったのはこれだけだろう。とにかくプレゼンが下手という人。嘆く前に練習しろ、と。何時間でも何日でも自分が納得が行くまで。

テクニカルな部分では、「パワポは清書の段階で使うべき」というところに注目。パワポで見栄え良く仕上げて、なんとなく出来上がった感に浸るのが好きな自分にとっては、非常に耳が痛い。アナログ(紙)で書いてみて、ストーリーが通じるものかどうかじっくり吟味し、全体が出来上がってからはじめてパワポ使えってか・・・。うーん、厳しい。

ゆえに箇条書きのテンプレートにキーワードを当てはめて書き始める習慣はもうやめよう。話の流れが定まって、あるページに理性的な解説を加える必要がある時まで、プレゼンソフトの使用はぐっとこらえてほしい。まずは紙と鉛筆だ。

そして、分かりやすくシンプルに。本質は何かを自分に問いかけよう。

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

天才!  成功する人々の法則

天才! 成功する人々の法則